キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる【読書感想】
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる
最近流行のIT業界の言葉でのキュレーション
もともとキュレーターは
キュレーター (curator) とは、欧米の博物館(美術館含む)、図書館、公文書館のような資料蓄積型文化施設において、施設の収集する資料に関する鑑定や研究を行い、学術的専門知識をもって業務の管理監督を行う専門職、管理職を指す。
IT業界でいうと情報の取捨選択を行いアウトプットを行う人のことを指していると思っています。
アウトプットにもいろいろあると思いますが^^;;
第一章 無数のビオトープが生まれている
ビオトープという単語は初めて聞いたがドイツ語でオーガニックや園芸系では有名な単語らしい。
ビオトープ[3]〖(ドイツ) Biotop〗
動物や植物が恒常的に生活できるように造成または復元された小規模な生息空間。公園の造成・河川の整備などに取り入れられる。〔ギリシャ語で生物(bios)と場所(topos)を示す造語〕
スーパー大辞林3.0 (C) Sanseido Co.,Ltd. 2010
この本では「情報を求める人が存在している場所」という使われ方をしていた。
趣味嗜好が細分化されてそのコミュニティを見つけるのは大変かもしれないよなぁ
第二章 背伸び記号消費の終焉にも書かれているが
マスの幻影が、すべてをダメにしていった(p.79)
すべてをダメにしていったかは置いておいて、マスメディアって昔に比べて力は弱くなってきている気がする。
価値観が増えたというか違う価値観を認めるような土壌が出来てきたから弱くなったのかな?
逆にアタリを探すのってやっぱり大変
この章では記号消費がダメではなく、記号消費をするところが人それぞれ出てきているということが書かれていた。
その記号消費をするための理由?としての
「応援消費(p125)」や「自分がブログで書いたことを、誰かが喜んでくれるている。(p127)」
私の中ではインパクトのあった文章は
「モノ」ではなく、たがいにつながる「モノガタリ」をつぐむ時代に(p.131)
これは確かにある。
それがきっと第4章の「刹那的な関係から、持続する関係へ(p.156)」へつながってくるのだろうなぁ。
自分にも思い当たる節がある。
持続する関係を持つところと刹那的な関係をもつところとこれも背伸び記号消費と同じように個人の中で二極化されていくのだろうか
第三章 「視座にチェックインする」という新たなパラダイム
リアルとバーチャルとの境界はどんどんあいまいに(p.151)
これはバーチャル=ネットの世界が実際の生活に影響を与えるということだよね。
インターネットの利用形態が仕事→趣味→生活と生活まで広がってきたということで私はうれしい。
第四章 キュレーションの時代
「事実の真贋をみきわめること」は難しいけれども、それにくらべれば「人の信頼度をみきわめること」の方ははるかに容易である(p.207)
無名だろうが有名だろうがアウトプットしていたらビオトープの中では信頼を得られる可能性が高い。
ソーシャルの世界のおもしろいところだよなぁ
コンテンツとコンテキストの美しい関係(p.218)
まったくもってアートのことはわからない私だが
この本を読んで上記動画をみるとなるほどと言いたくなる。
オーガニック革命にも書い
藤原ヒロシ氏と同様に イノベーターからアリーアダプターへの橋渡しをしてもらわないとね。
「fujiwara can’t ride fixed.」なんて言われても伝道師的事をやって欲しいと思っています。
何に関してもキュレーターが必要だよね。
絶え間ないホロニックループとセマンティックボーダーの組み替えが、この世界を生き抜いていく条件であるとしています。(p.250)
周りから刺激を受けて自分の中の基準を常に変えてって今後は今以上に必要になるかもなぁ
第5章 私たちはグローバルな世界とつながっていく
「ひとつの国の国民が全員で同じ文化を共有する」という考え方そのものが、そもそもは幻想だったのかもしれません(p.280)
価値観の多様化、マスの力が弱くなった等が重なり「普通」という概念の共有がしにくくなっているのは感じる。
何でもかんでも明文化しなきゃいけないの?というところでマスに対するコミュニケーションにコストがかかるようになるのだろうか・・・
それはそれで面倒だよね・・・・
多様性を増していくグローバル社会において、キュレーターの持つ視座がどう変化していき、その中で私たちの共鳴はどう相互に伝わっていくのか(p.308)
回答は出ていないが、多様性が認められているから自分にあったビオトープを複数持ちその中の情報を違うビオトープに対して各々がキュレーターとして発信する。
という感じかなぁ。
これIT系の本だと思い読み始めたが・・・・・
消費、文化(芸術/音楽)、グローバリゼーション、ITをひとつにまとめて書いてある本。
技術云々一辺倒ではないから技術系の人じゃなくても読みやすいはず。
お奨めぇ~
福岡のアップルストアから電話してくれた某氏には貸し出します^^;;